セメント瓦の劣化症状と最適な工事とは何か

(2020年02月05日)

セメント瓦とは、【モルタルと砂を混ぜて】成形した物を【型に起こして】形にしている屋根材です。今ではほとんど生産されていないメーカー品も多くなりました。このセメント瓦、厚みがあって頑丈ですが【防水するための塗料を塗っている瓦】のため、紫外線や雨風などによって劣化すると色が褪せたりします。また、水に弱い性質があり、雨水が浸み込むと【セメント瓦の成分が脆く】なります。

 

セメント瓦が色褪せている

 

初期症状に起こるのが色褪せです。新築時はキレイに塗装されていますが、経年劣化によって色がくすんできます。だんだんと色が褪せてくると言う事は、セメント瓦の【表面に塗った塗装の効果】が薄くなってきていると言う事です。薄くなればなるほど雨水をはじく力が弱まっているため、セメント瓦が脆くなる可能性が高まります。建物の内部に水が侵入しないように、防水処理を施してあげるのが長く保つために必要です。

 

セメント瓦にコケが発生している

 

日当たりが悪い面に発生しやすいコケ。お客様から相談を受けて調査にうかがった所、セメント瓦に「コケがビッシリと発生していた!」なんてケースもしばしばあります。【水をはじく力が弱まった影響】で雨水が乾きにくくなったり、【風の影響で飛んできた土】が積まれて繁殖したコケは、環境が増殖に適していればどんどん増え続けます。このコケに悩んでいる方は、防水塗装を業者に依頼する際に必ず【防カビ性】のある塗料があるかお聞きください。

 

セメント瓦が割れている

 

セメント瓦は、水を吸うと【膨らもう】として、乾くと【元に戻ろう】とします。この動きを繰り返すうちに負担がかかり、いずれ割れてしまいます。また、地震などの影響で割れる事も。割れていると言う事は、さらに【水が侵入しやすくなるため】良い事はありません。割れた部分はコーキングで補修しても一時的な問題なので、出来るだけ早めに、セメント瓦へ防水塗装をするお手入れが必要です。

 

 

セメント瓦から雨漏りしている

 

セメント瓦は、【ヒビ割れなどの影響】によって雨水が中へ入ろうとします。瓦の下には防水シートが敷かれており、その下には屋根材を支えている野地板があります。屋根から内部の天井などに雨漏りしていると言う事は、この【防水シートが機能を無くし】野地板を腐食させながら【内部に雨水を入れている可能性】が高くなります。通常のメンテナンスですと防水塗装を施してあげる方法ですが、ここまで雨水が侵入してしまうと、防水シートと野地板を補強または交換しなければならないかもしれません。【早急な対応と対策】を考える必要があります。

 

最適な工事

 

現在の状態によりますが、高圧洗浄機でコケなどをキレイに洗い流し、ヒビ割れしている箇所を補修してから屋根を塗装してあげるのが【コスト的にお安くなる】と思います。使用する塗料は防カビ性がある普及率の高いシリコン塗料で十分です。熱エネルギーを反射させる遮熱塗料を検討されている方もいるかもしれませんが、もともと厚みがあるセメント瓦に使用しても【効果が実感しにくい】可能性がありますのでご注意ください。また、お客様のご予算や住まわれる年数によっては塗装工事ではなく、セメント瓦を撤去して新しい屋根に替える事も一つの手です。

 

まとめ

 

使うだけでオシャレになるセメント瓦。デザインが気に入って選ばれた方も多いのではないでしょうか。このセメント瓦、日本瓦と違ってメンテナンスが必要です。もともと【耐久性が高い】と言われていますが、【防水性が無い】ため定期的に塗装をしてあげる事が大切です。また、瓦自体ではなく漆喰(粘土などをねり合わせた物)が傷んでいる場合もありますので、専門の業者に調査してもらい、現状の確認と最適な修繕方法を相談しましょう。