トタン屋根(瓦棒)のメリットとデメリット
(2020年02月05日)数ある屋根のひとつにトタン屋根(瓦棒)と言う屋根材があります。薄い鉄板を重ね葺いた屋根で、徐々に普及されはじめて【日本瓦よりも安価】だった事から流行しました。通常の屋根よりも緩やかな勾配にも対応ができ、つなぎ目が少ないのが特徴です。最近では需要が減少傾向にありますが、まだまだ全国各地で活躍しています。このトタン屋根(瓦棒)の基本的な知識とメリットやデメリット、劣化した際のメンテナンス方法をお届けします。
目次
トタン屋根(瓦棒)の基本的な知識
最もよく採用されていたのは1950年代~1980年代と言われています。現在主流のスレート屋根(板状の屋根材を何枚も張り合わせた屋根)が無かった時代に多く施工されました。瓦と言う字が付いていますが、実際には【鉄で出来た鋼板】の表面を【亜鉛でメッキ処理】した屋根材です。加工性に優れており、あらゆる形の屋根に対応が出来ます。
トタン屋根(瓦棒)のメリット
日本瓦と比べると安価で非常に軽量なため、【耐震性が高く】建物に大きな負担を掛けません。つなぎ目が無いため雨水などが侵入しづらく、雨漏りしにくいのがメリットの一つです。金属屋根なので破損にも強く、【雪下ろしをしても耐える事が出来る】ため積雪にも強いという印象があります。様々な屋根の形に対応ができ、工事の日数もそこまでかかりません。
トタン屋根(瓦棒)のデメリット
外部からの熱が通りやすいため、室内が熱くなってしまう事があります。場合によっては【断熱材を入れるなどの対策を行う必要】があります。また、屋根に打ち付ける雨音が気になると言う方も。遮音性が低いため、音に敏感な方はストレスを感じるかもしれません。原材料が鉄で出来ているため、一度サビが発生すると広がりやすくなり、気づいたら穴が開いていると言う事もあります。
トタン屋根のメンテナンス方法(塗装)
サビが発生する前に塗装を行うのが一番です。サビがどんどん広がると、それだけメンテナンスに時間や労力が掛かるため、業者に依頼した際には【安くない工事金額が発生】してしまう可能性があるからです。出来るだけ早めのお手入れが必要なのがトタン屋根(瓦棒)です。水で洗う高圧洗浄、汚れやサビを落とすケレン作業、サビ止め塗料を塗ってからトタン屋根(瓦棒)に適した塗料で仕上げる事が大切です。注意点としては、高圧洗浄をしっかり行ってから乾燥させる事、ケレン作業をする際に素地を傷つけない事、塗った塗料に乾燥期間を設ける事です。
トタン屋根のメンテナンス方法(カバー工法、葺き替え)
どうしても塗装では解決できないと判断した場合、今あるトタン屋根(瓦棒)の上から、新しい屋根材を設置して解決する【カバー工法】と言う工事が出来ます。廃材がほとんど発生しないため費用や工期を抑える事が出来る反面、屋根の重量が増してしまったり、劣化状況によっては施工が出来ない事もあります。次に、今あるトタン屋根(瓦棒)を完全に撤去してから新しい屋根材を設置する【葺き替え】という工事も出来ます。屋根が新しくなるため、次回のメンテナンスまで期間が長くなり、軽い屋根材を使用することで耐震性も向上します。しかし、廃材が大量に出てしまう事や工期が長くなるデメリットもあります。いずれにしても、【塗装では難しいと判断した場合】にも「他に工事方法があるんだな!」とだけ覚えて頂ければと思います。
まとめ
耐用年数が他の屋根材に比べると短いため、その分お手入れが必要になります。出来るだけ安価に抑える場合は【小まめな塗装工事】を行う事ですが、長い目で見た場合には新しい屋根材にしてしまうのも一つの手です。いずれにしても、建物を守る役割をしているトタン屋根(瓦棒)ですから、たまにはご自身の目で様子を見てください。色が褪せていないか、雨漏りしていないか、サビが発生していないかなど、分かる範囲で見る事が大切です。
最新記事
- 04月06日 エクステリアについて
- 02月05日 タイルの劣化症状と塗装の必要性について
- 02月05日 トタン屋根(瓦棒)のメリットとデメリット
- 02月05日 外壁材の種類と見分け方
- 02月05日 セメント瓦の劣化症状と最適な工事とは何か